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論述講座 第3回 No.5とその前に

【知識がない時の逃げ方】

講習での説明は、良い解答を作成するための道筋を示すことを目標にしています。しかし、実際の入試ではなんの助けもない状態で書かなければなりません。なので、知識が欠落していることが当然のこととして予想されます。問題集に解答例として載っているものは、経験者が出版段階で本気で考えて書いているものですから、あのレベルのものを時間・知識とも不足している受験生が、本番の短い時間で書くことは不可能に近いですよ。だからと言って、低くていいことにはなりませんが・・・

対策らしい対策ではないですが、3点。

センター試験の勉強(全範囲)と並行するので、どこの時代を問われても「全く聞いたことがない、ことがない」という状態を早く作る。(論述で安定するには、センターで80%を取れる知識量はやはり必要です。自分にはそこまでないということであれば、網羅的勉強(センター型)を優先したほうがいいでしょう。一週間に1〜2題程度の論述問題を行うというペースでセンターまでは継続するのはどうでしょうか。そもそもセンターを取れないと論述を解く大学に出願できないわけですし。)

②とにかく関連することを書く。その際は、できるだけ問題の要求に沿うことが望ましいが、わからない場合は「できるだけ書く」。少しでも点数を稼ぐため。

③わからない問題はそこそこにして、分かる問題に注力すること。論述問題の他に短答式の問題も出題されるので、取りこぼしのないように。

 

【論述を解くとき】

 そろそろ分析にも慣れてきたと思います。これからはまずは教科書を見ないで解答しましょう。手順は守りつつも、何も見ないで、本番を想定して知識が欠落した中で解答を練り上げる練習も必要です。字数まできっちり書き上げて、限界・・・。というところまできたら、次は模範解答を作るつもりで教科書を見ながら解答を作りましょう。

 フラストレーションがたまるとは思いますが、そのフラストレーションが溜まって「知りたい」と思ったときに知るのが、一番記憶に残ります。勉強はその対象への欲求が向いた時に最も捗るものです。時間はかかるとは思いますが、これからの時期はどんどん知識量も増やしていくべき時期に入っていますので、相乗効果が期待できます。(苦手と思っているところの論述をやるのも一つかもしれませんね。例:ロシア革命の流れが分からなければ、その論述をする。など。人によるので強く推奨するわけではないですが。)

 センター後には実際の試験時間で1年分を解答する練習もしていきましょう。時間配分は極めて重要です。

 講習中に当てられて答えられなくても辛くはないですよ。知らないところが知れたと思って喜んでくれればいいのです。そうやって知識の幅を拡張してくわけですから。わからないことがわかった瞬間にスペックが上がったのです。

 

では、No.5

【問題】外交関係の面においてイタリア戦争がもった歴史的意義を次の2つの単語を用いて100字程度で説明しなさい。 指定語句:勢力均衡  主権国家

 

【解答例】

イタリア戦争の意義は、皇帝権や教皇権という普遍的権威が揺らいだ点、主権国家が各々の利害で同盟し自国の安全をめざす勢力均衡を外交の基本理念に据えた点にある。また、この戦争でハプスブルク家とフランス王家の対立構造が生じた。(109字)