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第2回論述 解答例/解説(3)

【問題】18世紀末のフランスでは革命勃発直後の1789年8月4日に封建的身分的諸特権の廃止が宣言されたが、この時、領主諸権利が直ちに全面廃止されたわけではない。しかし革命政府(議会)の土地政策はのちの1793年には大きく転換する。革命初期と後期における革命政府の土地政策はそれぞれいかなるものであったのか、またそれは農民にとっていかなる意味をもったか。後期(1793年)の革命政府の特徴及び民衆との関係にも留意しつつ120字以内で説明しなさい。

 

【分析】

主題:フランス革命初期と後期の政府の土地政策、それぞれの政策がもつ農民への意味を述べる。(120字)→結局は比較・対比

条件:後期の革命政府の特徴、民衆との関係に留意すること。→前期については求められていない。

 

【解答例】

国民議会は地代の廃止を有償としたため、農民の自作農化は困難だった。対して国民公会ジャコバン政権は民衆に支持基盤をもつため、地代を無償廃止とした。このため農民は自作農となったが、それ以上革命の進展は望まずジャコバン政権への支持は弱まった。(119字)

※下線部が民衆との関係を表現した部分。

【ポイント】KP188/189

前期の革命政府=国民議会  後期の革命政府=国民公会(1793年の年号がヒント)

<国民議会の土地政策>封建地代の有償廃止

<農民にとっての意味>農民が自作農になることは難しかった(高額のため)

<特徴(解答には含めてはダメ)>国民議会はブルジョワの利益を優先→民衆は革命の進展を望む

 

国民公会の土地政策>封建地代の無償廃止

<農民にとっての意味>農民は自作農になれた。実際多数の小土地所有者が生まれた。

<特徴>ジャコバン派は民衆の利益を重視した。ジャコバン派の支持は下層市民を基盤としていた。

<民衆との関係>土地を得て自作農となった農民は保守化し、革命の進展をそれ以上望まなかった。(そのため、その後にクーデタが起こり、ジャコバン派の首領ロベスピエールが処刑された。)

 

【雑感】

リード文は長いが、きちんと分析すれば問われていることは、非常に基本的でシンプルである。フランス革命の基本的流れを知っていますか?+聞いていることわかりますか?という問題だろう。

それぞれの政府が誰を満足させるために存在しているのかを追っていくとよくわかる。